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短報
長期間のひきこもりの後に社会参加を開始した1例
著者: 伊藤陽1
所属機関: 1新津信愛病院
ページ範囲:P.325 - P.327
文献購入ページに移動 近年,精神分裂病以外の原因で社会から撤退してひきこもる若者たちが増えてきている2,7)。その背景因子としては,回避性,自己愛性,分裂病質性などの性格要因と,これら性格形成にも関与する過保護,母性優位・父性不在の養育発達史的要因が考えられている。そしてひきこもりを容易にする昨今の共同性なき社会状況も一要因であるという4)。この非精神病性ひきこもりに対する実践的援助としては,「空振り」覚悟の訪問治療6),家族グループに対する心理教育,当事者による自助グループ形成の働きかけなどが行われ始めているが3),アプローチが困難なケースも多い。今回,不登校に引き続いて約10年間ひきこもった後に社会参加を開始した1例を経験したので,その改善機転を中心に報告する。
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