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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻4号

2001年04月発行

研究と報告

家族療法としての地域精神保健ネットワークミーティング—養育担当者すべてが保護能力を失い孤立した兄妹への援助

著者: 佐野信也1 中山道規2 宮本ふみ3 伊藤方子4

所属機関: 1防衛医科大学校精神科 2中山クリニック 3東京都多摩川保健所 4東京都多摩立川保健所

ページ範囲:P.367 - P.375

文献概要

【抄録】 筆者らは,保健婦,PSW,民生委員,教師,医師などで構成される地域ネットワークミーティング(NWM)が果たす機能について,家族療法の視点から考察した。事例は,養育担当者がすべて保護能力を失い,孤立した兄妹への援助が求められたケースである。祖父(痴呆),母(精神分裂病)は入院となり,妹は養護施設へ入所となった。この介入過程で,16歳の兄は孤独感や関係者への不信感を強く発展させた。NWMで精神科医に求められる役割は,社会が分担して担っている親役割に関する具体的助言であり,事態の推移に関する力動的理解の枠組みであった。NWMに参加する精神科医は,会議全体のまとめ役を期待されていることにも自覚的である必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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