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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻4号

2001年04月発行

文献概要

研究と報告

患者の自殺が主治医に与える影響

著者: 斉藤陽子1 中尾智博2 竹田康彦1 藤岡耕太郎1 木村光男1 脇元安1 森山成彬1 斉藤雅1

所属機関: 1八幡厚生病院 2九州大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.377 - P.384

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【抄録】 当院外来通院中に自殺した患者14名(アルコール依存症5名,精神分裂病5名,うつ病4名)の主治医6名に対し,患者の自殺が主治医に与える影響についてアンケート調査を行った。患者の自殺後,主治医はショックや悲しみの感情を持ち,行動面でも診察時に希死念慮に留意し,自殺の話題をすることが増え,記録が慎重になるという変化がみられた。こうした影響は患者の病態によって差があり,うつ病では大きく,アルコール依存症では小さい傾向があった。主治医における喪の作業として,上司や同僚の議論が最も有益であった。さらに,精神科外来患者における自殺の頻度,心理学的剖検や葬式への参列の有効性,患者の自殺に対する教育の重要性などについても言及した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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