icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻4号

2001年04月発行

研究と報告

精神分裂病患者のサッケードによる検討

著者: 清水隆史1 桐野衛二1 島崎正次1 新井平伊1 井上令一2

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2財団法人順天堂精神医学研究所

ページ範囲:P.385 - P.393

文献概要

【抄録】 衝動性眼球運動(視覚性サッケード,記憶誘導性サッケード)から精神分裂病の病態を検討した。22例の精神分裂病患者を対象とし,サッケードの振幅・潜時・最大角速度をパラメータとし,記憶誘導性サッケードでは遅延期間内サッケードの頻度,予告刺激に対するサッケードの頻度を解析した。視覚性サッケードでは健常者と比較して低振幅であったほかには有意な差は認めなかった。記憶誘導性サッケードでは記憶誘導性サッケードの頻度が少なく,予告刺激に対するサッケードの頻度が多かった。パラメータでは振幅が小さく,潜時の延長が認められた。これらより精神分裂病患者ではサッケードの適切な発現と抑制が困難となっており,これらには前頭葉の機能低下が原因している可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら