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高齢精神分裂病患者に対する薬物減量の試み
著者: 鶴田聡1
所属機関: 1慈光会病院精神神経科
ページ範囲:P.411 - P.415
文献購入ページに移動【抄録】 60歳以上の症状の安定した精神分裂病患者に対して薬物の減量を試みた。減量の提案に賛成した患者を減量例として薬物量を半分に漸減し,賛成しなかった患者を維持例として,いずれもその後2年間フォローした。減量例の再発率は35%(12/34)で,維持例は12.9%(4/31)であった。減量後の再発はBPRSやNLP量とは関係なく,年齢(65歳未満),病識(十分あり),HDS-R(20以上),GAF(80未満),AIMS(6以下)と関連していた。減量後の再発は平均5.5か月後で,再発後の回復は早かったが,観察終了時に症状増悪とされた例が4/12あり,非再発例に比し有意に多かったが,非再発例で症状改善とされた例は3/22で再発例に比し有意に多くはなかった。
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