icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻4号

2001年04月発行

文献概要

研究と報告

挿間性の意識障害や記銘力障害,不安抑うつ状態を呈した好酸球増多症候群の1例

著者: 水挽貴至1 長瀬精一1 岩熊昭洋1 高尾哲也1 小島寛2 佐々木恵美3 鈴木利人3

所属機関: 1国立水戸病院精神科 2筑波大学臨床医学系血液内科学 3筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.417 - P.422

文献購入ページに移動
【抄録】 好酸球増多症候群を呈し,浮腫や筋痛,意識障害,不安抑うつ状態,記銘力障害などが消長した60歳男性の1例を報告した。頭部MRIでは,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号となる異常信号域が,基底核付近や脳室周囲に散在していた。脳SPECTでは島状の血流低下域を認めた。本例は好酸球増多の原因を特定できなかったことから,好酸球増多症候群(HES:hypereosinophilic syndrome)と診断された。HESでは微小循環障害を来しやすいことや,好酸球顆粒中に含まれるタンパク質の神経毒性などが指摘されており,これらが本例の精神症状の発現や検査所見の異常に関与しているものと推察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?