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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻4号

2001年04月発行

研究と報告

90歳以上で入院した痴呆患者の臨床的特徴

著者: 堀宏治12 稲田俊也2 織田辰郎1 冨永格1 保科光紀3 大野玲子4 田上修1 寺元弘1

所属機関: 1国立下総療養所 2国立精神・神経センター精神保健研究所 3国立病院東京医療センター 4駒木野病院

ページ範囲:P.425 - P.430

文献概要

【抄録】 ICD-10の診断基準により,晩発性アルツハイマー病の痴呆群(以下,SDAT群)と診断された14例と入院時の年齢が90歳以上の群(以下,90歳代痴呆群)11例を対象として,痴呆症状についてはGBSスケールを,痴呆の行動心理学的症候についてはBaumgartenのDementia Behavior Disturbance Scale(以下,DBDスケール)を用いて評価し,2群間で比較を行った。その結果,90歳代痴呆群で著しい症状は,「集中力の障害」「覚醒度の障害」「速い動作の困難」「注意力散漫」などであり,SDAT群で著しい症状は,「見当識の障害」「記憶の障害」「最近の記憶の障害」であった。90歳代痴呆群で頻度が高い行動心理学的症候は,「夜間覚醒」であり,SDAT群で頻度が高い行動心理学的症候は,「同じ動作を繰り返す」などであった。以上より,90歳代痴呆群は情動面の症状などが強調された一群を含むものであることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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