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「第8回慶應義塾大学医学・生命科学国際シンポジウム分裂病の包括的治療」印象記
著者: 鹿島晴雄1 水野雅文1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.448 - P.450
文献購入ページに移動 去る2000年6月5日から7日までの3日間,The 8th Keio University International Symposium for Life Science and Medicine “Comprehensive Treatment of Schizophrenia:Linking Neurobehavioural Findings to Psychosocial Approaches”(組織委員長:鹿島晴雄)が慶應義塾大学三田キャンパスにおいて開催された。当シンポジウムは慶應義塾大学の坂口光洋記念基金の全面的な後援により毎年2回,医学・生命科学系のさまざまなテーマで開かれる国際シンポジウムである。比較的限定されたテーマを取り上げ,最先端の学術交流を進めることが目的である。1大学が主催する研究集会ではあるが,「分裂病の包括的治療」というテーマは本年の日本精神神経学会のシンポジウムでも取り上げられるなど,今日,大きな関心を寄せられている領域であり,海外からの多数の著名な臨床家,研究者の参加を得て,熱心な討論がなされたのでここに報告したい。
ニューロサイエンスの進歩に伴い,精神疾患の脳機能に関しても分子のレベルから神経心理学に至るまでいわゆるハイテクを用いた多くの知見が得られるようになった。他方,精神医療の現場では,外来中心の医療の定着とともに,新しい薬物療法に加えて心理社会的治療の重要性に対する認識も確実に広がりを見せ,さまざまな試みが行われている。これらの生物学的知見と心理社会的治療の試みの間にはなお多くの隔たりがあるが,本シンポジウムでは,両者の関連のもとで現時点で行われている治療的アプローチと,今後の両者の関連づけへの可能性がさまざまな側面から議論された。
ニューロサイエンスの進歩に伴い,精神疾患の脳機能に関しても分子のレベルから神経心理学に至るまでいわゆるハイテクを用いた多くの知見が得られるようになった。他方,精神医療の現場では,外来中心の医療の定着とともに,新しい薬物療法に加えて心理社会的治療の重要性に対する認識も確実に広がりを見せ,さまざまな試みが行われている。これらの生物学的知見と心理社会的治療の試みの間にはなお多くの隔たりがあるが,本シンポジウムでは,両者の関連のもとで現時点で行われている治療的アプローチと,今後の両者の関連づけへの可能性がさまざまな側面から議論された。
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