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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻5号

2001年05月発行

文献概要

研究と報告

病的多飲水による尿路系異常の治療について

著者: 梅本陽子1 林邦雄2 平井彰3 中村嘉宏3 柳雄二3 黒田悦弘1

所属機関: 1微風会浜寺病院 2星ヶ丘厚生年金病院 3好寿会美原病院

ページ範囲:P.527 - P.535

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【抄録】 尿路系の合併症がみられた病的多飲水患者2症例の長期経過を報告した。症例1では,水中毒発作は観察されなかったが,多飲水発症から早期に慢性的な低Na血症と尿路系障害が発生した。症例2では,頻回に水中毒発作を起こしたが,多飲水発症より低Na血症の慢性化は14年以上経過してから,尿路系障害も15年以上経過してから観察された。2症例では,“reset osmostat”(浸透圧定常状態の再設定)の時期や膀胱の収縮力低下の程度に個人差があったと思われる。尿路系障害は,発症から長期間経過していても改善することができたが,多飲水そのものの治療については,症例2では困難であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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