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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻5号

2001年05月発行

文献概要

短報

夏季に発症した悪性症候群の2例

著者: 山本朗1 大家尚文1 井谷隆典1 郭哲次1 志波充1 吉益文夫1 新居延浩一2

所属機関: 1和歌山県立医科大学神経精神医学教室 2紀ノ川病院

ページ範囲:P.551 - P.553

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はじめに
 悪性症候群は1960年にDelayらによって最初に報告され,その後主にフランスと日本で多くの症例報告がなされてきた。これは抗精神病薬の副作用として生じ,発熱,錐体外路症状,自律神経症状,意識障害などの症状を呈する病態である。その機序としてはGABA欠乏仮説,ドーパミン・セロトニン不均衡仮説なども唱えられているが,視床下部ないし線条体のドーパミン受容体遮断仮説が最も有力である。また発症の危険因子として,薬物の種類や投与量の急激な変更3),夏季の高温状態2),性,年齢,精神科的基礎疾患,内科的合併症,高力価の抗精神病薬,精神状態,身体状態4)などが指摘されている。今回筆者らは夏季に発症した悪性症候群の2症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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