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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻6号

2001年06月発行

文献概要

研究と報告

破瓜型分裂病様症状を呈した児童期発症の双極性感情障害の2例—児童期における診断の困難さと親へのインフォームド・コンセントに関する検討

著者: 下山修司123

所属機関: 1財団法人復康会沼津中央病院 2横浜市立大学医学部精神医学講座 3現,東京医科歯科大学難治疾患研究所

ページ範囲:P.643 - P.650

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【抄録】 小学校高学年の児童期に,意欲の低下と引きこもり,奇異な行動などの症状を呈し破瓜型分裂病と診断され,神経遮断薬の投与により病状が悪化した双極性感情障害の2児童例を経験した。児童期に発症する双極性障害は,うつ病相から始まることが多く,言語能力の稚拙さや奇異な行動が目立つなどの理由で超早期発症分裂病や分裂病の前駆症状と誤診されやすい。そのため,神経遮断薬の投与により長期にわたって鎮静化され病状の遷延化を招くことはまれではない。今回の経験から,児童期発症の精神障害の診断や治療,家族へのインフォームド・コンセントには成人とは異なる配慮が必要であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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