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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻7号

2001年07月発行

文献概要

研究と報告

日常診療のための簡易精神機能テスト(第3報)—分裂病者のバウム・テスト

著者: 臺弘1 斎藤治2 三宅由子3

所属機関: 1坂本医院 2国立精神・神経センター武蔵病院 3国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.737 - P.744

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【抄録】 分裂病者を主とする日常診療の現場で利用するために,知情意の3側面の指標として,単純反応時間と穏和ストレス反応と思考の自由度を取り上げ,簡易テスト化した成績については既報された。これらの要素的・計量的指標は分裂病の陰性症状とは相関を示したが,陽性症状とは相関しなかった。そこで全体的・表象系の機能であるバウム・テストを併用して,画の特徴に陽性症状と関連するものがあるか否かを検討した。バウム画を定性的に「普通画」「陰性画」「陽性画」の3類型に区別し,判定者間の一致度を検定した後に,「陽性画・つつぬけ画」が急性・再発期に頻発し,陽性症状と相関を持つことを明らかにした。この障害は要素的3機能からは独立であり,瞬間意識内に起こる現象であるらしい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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