icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻7号

2001年07月発行

研究と報告

緊張病症候群を呈する遅発性精神病の1例

著者: 鈴木一正1 粟田主一1 加藤直樹1 佐藤敏光2 佐藤光源2

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室 2東北大学医学部救急医学教室

ページ範囲:P.745 - P.751

文献概要

【抄録】 当科初診時61歳の女性。初発は49歳で父の死の直後に急速に緊張病症候群を呈し入院した。薬物治療で寛解し46日後に退院した。52歳,56歳でも家族内問題の直後に緊張病症候群を呈し入院(35日間,90日間)し,薬物治療で寛解した。60歳では誘因なく緊張病症候群を呈し,61歳での当科転院後に1コースのm-ECTを施行し寛解した。その後haloperidolを投与したが,20日後に再燃した。1コースのm-ECT後に2か月間の継続ECTをlorazepam併用下に施行し,91日後に再燃した。1コースのm-ECT後に1年間の継続・維持ECTをrisperidoneを併用下に施行し,現時点(1年6か月)まで寛解を維持している。本例は遅発緊張病の完全寛解例であるとともに,挿話性緊張病の遅発例であると考えられた。遅発緊張病と呼ばれ,従来予後不良とされた一群の中には継続・維持ECTが有用である症例がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら