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児童虐待—児童精神科の臨床から
著者: 岩田泰子1
所属機関: 1神奈川県立こども医療センター
ページ範囲:P.818 - P.830
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近年,児童虐待がそれと認識されるようになり,社会学や医学の分野でも取り上げられるようになった。わが国では取り組みが遅れているといわれているが,この数年は虐待件数の急激な増加が報告され,関係機関も認識を新たにし,新聞やテレビでも報道され,議会でも取り上げられるようになってきた。
虐待件数の急増は,虐待の実数の増加とともに,虐待の定義の範囲の拡大,認知発見度が高くなったことによると考えられる42)。都市部では児童相談所の一時保護所,乳児院,児童養護施設は被虐待児が入所児の多くを占め,満員に近いと聞く。保護した後の子どもや家族へのケアをどのようにするのか,虐待ケースへの対応はこれからの大きな課題であるとされている。
近年,児童虐待がそれと認識されるようになり,社会学や医学の分野でも取り上げられるようになった。わが国では取り組みが遅れているといわれているが,この数年は虐待件数の急激な増加が報告され,関係機関も認識を新たにし,新聞やテレビでも報道され,議会でも取り上げられるようになってきた。
虐待件数の急増は,虐待の実数の増加とともに,虐待の定義の範囲の拡大,認知発見度が高くなったことによると考えられる42)。都市部では児童相談所の一時保護所,乳児院,児童養護施設は被虐待児が入所児の多くを占め,満員に近いと聞く。保護した後の子どもや家族へのケアをどのようにするのか,虐待ケースへの対応はこれからの大きな課題であるとされている。
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