icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻8号

2001年08月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害患者の家族機能についての検討—Family Assessment Device(FAD)を用いて

著者: 大田垣洋子1 岩本泰行1 米澤治文1 大森寛1 西山聡1 高橋俊文2 志々田一宏3

所属機関: 1県立広島病院精神神経科 2広島大学医学部神経精神医学講座 3三原病院

ページ範囲:P.849 - P.854

文献購入ページに移動
【抄録】 摂食障害患者の家族機能についてFADを用いて評価し,家族成員間での比較を行い,さらに摂食態度や心理状態との関連について検討するとともに,患者群を神経性無食欲症(AN群)と神経性大食症(BN群)に分類し,健康対照者との比較検討を行った。患者と家族成員の比較では,患者が最も家族機能に問題があるととらえており,同胞でも同様の傾向が認められた。また摂食態度,抑うつ,不安,衝動のいずれもが家族機能の障害との関連を認めた。一方,BN群では対照群よりも家族機能の有意な低下を認めたが,AN群では対照群よりも低下を認めたものの有意ではなかった。AN家族では家族機能の障害を無意識に否認し,BN家族では罹病期間の長期化による無力感から顕在化していることが推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?