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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻8号

2001年08月発行

文献概要

研究と報告

甲状腺機能低下に伴うせん妄症状の早期改善に少量のリスペリドンが有効であった1例

著者: 花田一志1 宮田陽子2 高野守秀3 花田雅憲1

所属機関: 1近畿大学医学部精神神経科 2神戸大学医学部第一内科 3白鷺サナトリューム

ページ範囲:P.855 - P.860

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【抄録】 甲状腺機能が低下したり亢進した時には,さまざまな精神症状が出現することは知られている。今回,橋本病に伴う器質性精神障害で入院中,甲状腺機能低下に伴いせん妄状態を呈した69歳女性に少量のrisperidoneを使用した。20歳台より感情には波のある「循環気質」であったが,35歳時に指摘された橋本病の甲状腺機能の変化に伴い,幻覚,妄想などの精神症状が出現し,入退院を繰り返していた。68歳時に誘因なく錐体外路症状が出現し,それにより行動が制限された。その後,血中free T3値,free T4値の低下に伴いせん妄症状を呈したため,T4の補充とrisperidone 1.5mgを使用したところ早期に精神症状は改善した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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