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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻8号

2001年08月発行

文献概要

研究と報告

頭頂後頭葉症状を示したレビー小体型痴呆(probable dementia with Lewy bodies)と考えられる1例

著者: 大原一幸1 杉野栄太1 真城英孝1 大橋直哉1 湖海正尋1 守田嘉男1

所属機関: 1兵庫医科大学精神神経科

ページ範囲:P.861 - P.866

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【抄録】 患者は83歳の女性。68歳頃右上肢の筋強剛で発症。l-dopaが有効であり典型的なパーキンソン病(PD)で経過し,79歳頃にはYahrのstage IV〜Vでon-off現象がみられた。加えて痴呆,頻回の幻視,注意の変動,構成障害,Balint症候群,書字障害,失行がみられ,MRIで両側頭頂後頭葉の萎縮,SPECTで両側頭頂後頭葉の血流低下が認められた。本例はPDの長期経過後に,頭頂後頭葉症状を呈したレビー小体型痴呆と考えられたが,頭頂後頭葉症状にも変動がみられたという特徴とともに,呼称障害や感覚性失語様状態はなかったこと,SPECTで内側側頭回の血流低下や閃光刺激視覚誘発電位のP2潜時延長はなかったことから,著しいアルツハイマー病変の合併は否定的であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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