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研究と報告
強迫性障害患者における大うつ病のcomorbidityと治療反応性への影響
著者: 松井徳造1 松永寿人1 岩崎陽子1 大矢健造1 越宗佳世1 笠井慎司1 切池信夫1
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
ページ範囲:P.957 - P.962
文献購入ページに移動その結果,35例(36%)に初診時MDDの共存を認め,MDDを有する群は,有さない群に比し,既婚者の割合が高率で,全体的な機能水準が有意に低レベルであった。またMDDを有する群では,女性の割合や発症年齢などが高い傾向にあった。しかしながら両群間には,強迫症状の内容や重症度,不安の程度など,他の臨床症状に差がなく,また1年後のOCDの改善率においても,両群間に有意差を認めなかった。このため,初診時にMDD共存を認める患者が,臨床的,治療的に特異的亜型を形成する可能性は乏しく,MDDの治療予後への影響は少ないものと考えた。
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