icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻9号

2001年09月発行

研究と報告

強迫性障害に対する認知療法の適用—薬物療法との併用症例を通して

著者: 杉浦琢1 高橋徹1 鷲塚伸介1 小澤浩1 多賀千明2 井上和臣3 大野裕4 吉松和哉5

所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室 2京都第二赤十字病院精神科 3鳴門教育大学人間形成基礎講座 4慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 5大正大学

ページ範囲:P.963 - P.970

文献概要

【抄録】 認知行動療法は,強迫性障害(OCD)の治療法としてその有効性が報告されてきたが,多くは行動療法的技法を主体としたものであり,思考記録表を用いるBeckの認知療法的技法を取り入れたOCDの認知行動療法は発展途上の段階にある。本論では,薬物療法を併用しつつ認知療法を施行し効果をみた重度強迫性障害の症例を報告した上で,強迫性障害に対する認知療法の適用を考察した。強迫性障害の認知療法では,標的症状である強迫観念自体を自動思考として操作対象とすることになるため薬物療法を併用し,強迫観念の切迫性・制縛性を軽減した後に認知療法を施行する必要があり,また思考記録表の改変を行うなどの工夫が必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら