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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻9号

2001年09月発行

文献概要

研究と報告

出産・育児を経験した後に発症した摂食障害—家族関係と育児問題について

著者: 岡本百合1 村岡満太郎2 岡本泰昌3

所属機関: 1広島大学保健管理センター 2三原病院 3広島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.973 - P.978

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【抄録】 出産・育児を経験した後に発症した摂食障害5例について,臨床像,発症の契機,家族関係,育児状況について検討した。4例が30歳前後で,1例が40歳で発症していた。臨床像は思春期青年期発症の中核群と同様の症状を呈していた。発症の契機は離婚問題や親の死など,何らかの喪失体験があった。
 比較的早期に結婚し,望んで出産に至っていたが,全例に何らかの育児問題が認められた。そのうち3例が,虐待行為があったことを語り,自らの母親との関係が影響していた。子どもは不適応や問題行動などを有していることが多かった。母子関係の重要性について再確認されるとともに,育児問題への介入やサポートの必要性がうかがわれた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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