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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻9号

2001年09月発行

文献概要

研究と報告

リチウムが奏効したステロイド誘発性気分障害の1例—臨床症状と事象関連電位P300の関連性について

著者: 寺田誠史1 塩入俊樹1 高橋邦明1 加藤靖彦1 染矢俊幸1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.979 - P.985

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【抄録】 全身性エリテマトーデス(SLE)の治療に際しステロイド(プレドニゾロン)を使用したところ,躁および抑うつ状態,さらには脳波上広範囲に徐波成分を伴うアメンチアと思われる意識障害を呈したステロイド誘発性気分障害の症例で,ステロイドを漸減したが症状の改善を認めず,さらに数種の抗うつ薬や抗精神病薬も無効であった。しかしリチウム(400mg/日)に変更したところ,投与後1週間目から,上記症状は完全に消失した。事象関連電位のP300を経時的に測定したところ,P300は寛解期には認められたが病期に消失しており,特にその振幅は臨床経過の把握に有用と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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