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研究と報告
通電療法が著効したステロイド精神病の1例
著者: 漆原貴子1 功刀浩1 池淵恵美1 広瀬徹也1
所属機関: 1帝京大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.987 - P.993
文献購入ページに移動症例は35歳の会社員である。職場の健康診断からITPと診断され内科でステロイド治療が開始されたが,経過中2回のステロイド精神病のエピソードが出現した。1回目の多幸的気分〜躁状態のエピソードは抗精神病薬により約1週間で回復したが,2回目は抑うつ状態で始まり意識障害を混じる錯乱状態を経て無言・無動状態に至り,薬物療法は無効であった。全身状態,生命予後も悪化したため通電療法を施行したところ,精神症状の劇的な改善が認められた。本症例からステロイド精神病の治療戦略として,通電療法が重要な選択肢の1つであることが示唆された。
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