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「精神病理学と脳」を読んで
著者: 丹羽真一1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経精神医学講座
ページ範囲:P.1039 - P.1041
文献購入ページに移動藤元氏は秋元波留夫先生と親交を持たれており,本書は秋元先生が監訳者となっておられる。秋元先生が監訳者となられたことにはむろん理由があり,先生ご自身の学問的関心領域とFlor-Henryのそれとが重なっているからである。秋元先生が監訳者序文で書かれているごとく,Flor-Henryが1969年に論文「Psychosis and temporal lobe epilepsy:A controlled investigation」を雑誌Epilepsiaに発表したのを読まれ,「側頭葉てんかんに併発する精神障害の病態が脳半球の側方性と関係があり,分裂病様病態は優位半球(多くは左脳半球)の焦点に関係があるとする斬新な主張に注目」され,「分裂病については,気脳写で脳室拡大に左右差があり,多くの場合優位側の方が顕著であることが周知の事実であったので,著者の発想は精神疾患全般に適用される原則であるかもしれない」と,秋元先生が感心されたことが出発点となっている。
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