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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻1号

2002年01月発行

研究と報告

分裂病性精神病の精神生理学的所見に基づく多変量解析—精神分裂病と非定型精神病の相違について

著者: 深津栄子12 深津尚史13 関根建夫1 立花憲一郎14 須賀英道1 林拓二13

所属機関: 1愛知医科大学精神科学教室 2現,明和会琵琶湖病院 3現,京都大学附属病院精神科神経科 4現,矢作川病院

ページ範囲:P.39 - P.47

文献概要

【抄録】 精神生理学的観点から分裂病性精神病の異種性を検討するために,満田の分類より診断した定型分裂病20例,非定型精神病23例,正常対照群23例の3群で,事象関連電位P300と横S字型図形による探索眼球運動を測定し,クラスター分析と因子分析を施行した。P300振幅および探索眼球運動の反応的探索スコアは,分裂病の素因性指標となる可能性が指摘されている。本研究の結果,定型分裂病の約半数が,反応的探索スコアの最も低い群に分布したが,P300振幅の最も低い群と一致しなかった。また,定型分裂病と正常対照群の大部分は異なる群に分布した。一方,非定型精神病は,主に高振幅のP300と不安・抑うつ症状を伴う群に分布するものの,P300の低振幅を示す群にも認められた。前者は,Leonhardの類循環精神病cycloid psychosesと対応する群なのかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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