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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻1号

2002年01月発行

文献概要

研究と報告

全般性不安障害にみられる高bradykinin血症について

著者: 福田克彦1 高橋良当1 山中学1 渡辺尚彦1 大川真一郎1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院内科

ページ範囲:P.63 - P.68

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【抄録】 不安神経症の,息苦しさ,窒息感がbradykinin(BK)と関連する可能性を調べた。対象は,全般性不安障害11名で,BKを測定し不安をHamilton Anxiety Rating Scale(HAM-A)で計測した。結果は,BK値が100.1pg/ml(SD 44.6)と高値を示し,HAM-AとBK値は有意な正の相関が得られ,回帰方程式はBK=5.10(HAM-A)-51.5,r=0.62,p<0.05で与えられた。BKは侵害受容伝達,全身性の細動脈弛緩と水・C1利尿による血圧低下,catecholaminesの遊離,細静脈血管透過性の亢進による浮腫,内臓平滑筋収縮などの作用があり,不安神経症の身体症状が,BKの類炎症作用から惹起される可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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