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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻1号

2002年01月発行

文献概要

私のカルテから

CarbamazepineによるAdams-Stokes症候群—突然死の危険性について

著者: 長嶺敬彦1 池田まな美1 村田正人1

所属機関: 1清和会吉南病院

ページ範囲:P.104 - P.105

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 頭部外傷後の人格情動障害の患者に対して,易刺激性,衝動性,急激な気分変動を軽減する目的でcarbamazepine(以下CBZと略す)を長期投与していたところ,徐脈発作が頻回に出現した。ホルター心電図で洞機能不全と房室ブロックを認め,Adams-Stokes症候群と考えられた。CBZの血中濃度は治療域であった。CBZを漸減中止するに従い,徐脈発作はみられなくなり,ホルター心電図でも洞機能不全は消失した。
 CBZによるAdams-Stokes症候群は稀であるが,中毒域ではなく治療域で起こる重篤な副作用である。また内服開始後いつ出現するかわからないので注意が必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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