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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻10号

2002年10月発行

研究と報告

精神分裂病患者の家族の負担に関する研究—患者の病識と家族の精神疾患への認識との関連

著者: 酒井佳永1 金吉晴2 秋山剛3 栗田広1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 2国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部 3NTT東日本関東病院精神神経科

ページ範囲:P.1087 - P.1094

文献概要

【抄録】 精神分裂病患者の病識とその家族による精神疾患への認識が,家族の負担に及ぼす影響を検討した。精神分裂病患者43人とその家族41人に精神障害無自覚度評定尺度日本語版(SUMD-J)を施行し,患者の病識と家族の精神疾患への認識を評価した。また一般健康調査28項目版を用いて家族の精神的健康,Zarit Caregiver Burden Interviewを用いて介護負担感を測定した。患者の病識の低さは家族の精神的不健康に有意に寄与していた。一方で,介護負担感は家族自身の認識に影響を受け,家族が患者の症状をより明確に認識し,それを精神症状と考えないほど負担感が高かった。患者の病識と家族の症状認識の双方に対して心理社会的介入を行うことにより,家族の負担は軽減されると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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