icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻10号

2002年10月発行

研究と報告

薬剤性顆粒球減少症にリチウムが有効であった双極性障害の1例

著者: 鈴木克明1 松丸直子1 坂元薫1

所属機関: 1東京女子医科大学病院神経精神科

ページ範囲:P.1101 - P.1105

文献概要

【抄録】 種々の薬剤により顆粒球減少症を来したが,精神症状の改善ならびに好中球数増加に対してリチウム(Li)が有効であった双極性障害の1例を報告した。本症例の経過報告を呈示し,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の臨床応用が始まって以来注目されることの少なくなったLiの顆粒球増加効果について考察した。精神科領域では薬剤性顆粒球減少症が決して稀ではないこと,ならびにLiが躁病だけでなくうつ病の治療にも有用であることを考慮すると,今後,顆粒球減少症あるいは顆粒球減少傾向を伴う精神疾患,ことに気分障害例においてはLiの積極的使用を試みるべきであると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら