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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻11号

2002年11月発行

文献概要

特集 精神疾患の脳画像解析と臨床応用の将来

脳画像解析法:最近の進歩

著者: 一宮哲哉1 須原哲也12 安野史彦1 前田純1 岡内隆1 生駒洋子1

所属機関: 1放射線医学総合研究所(脳イメージングプロジェクト) 2科学技術振興事業団戦略的基礎研究(CREST)

ページ範囲:P.1157 - P.1169

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はじめに
 ポジトロンCT(positron emission tomography;PET)は,放射性同位元素の一種であるポジトロン放出核種によって標識された化合物を用いて,生体の生理的あるいは生化学的情報を定量的に画像として描出する技術であり,ポジトロンの物理的特性から定量性に優れたデータを得ることができる。脳神経領域ではPETによって脳血流や糖代謝などの生理学的指標と神経伝達などの生化学的指標の測定が行われている。特に,神経伝達物質受容体などの神経化学的研究において,PETは生体で定量的に評価ができる数少ない方法のひとつであることから,神経伝達機能の変化が想定されている神経精神疾患における有力な研究法となっている。
 本稿では,神経伝達機能の測定に焦点をあて,リガンド開発,定量法などの方法論的側面からPETを論じてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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