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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻12号

2002年12月発行

文献概要

研究と報告

精神科病院における高齢痴呆患者の転倒

著者: 森山成彬1

所属機関: 1八幡厚生病院

ページ範囲:P.1277 - P.1286

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【抄録】 精神科病院の痴呆病棟において,転倒骨折して整形外科受診となった18名について,転倒の危険要因と最長6年半後の予後を調べた。全員が女性であり,痴呆の種類や重症度はさまざまで,知覚障害やその他の身体合併症はさして重篤ではないが,転倒歴が顕著に多かった。転倒は自室やホールでベッドや椅子からの立ち上がりがけと,廊下やホールで障害物にあたって生じる傾向があった。時間帯による差はなく,患者が終日ホールに集まりスタッフの観察が行き届く曜日に転倒が少なかった。服用している抗精神病薬と抗不安薬・睡眠薬,抗うつ薬の量は決して多いとは言えなかった。骨折の8割は大腿骨頸部骨折であり,予後も悪く,そのうちの4割が死亡,3割が寝たきりになっていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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