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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻12号

2002年12月発行

文献概要

研究と報告

けいれん発作重積状態後に横紋筋融解症により急性腎不全を呈した1症例

著者: 辻正保1 田中久2 山川正人3 矢田篤司3 安藤達志3

所属機関: 1協立総合病院精神科 2協立総合病院神経内科 3協立総合病院内科

ページ範囲:P.1311 - P.1315

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【抄録】 症例は37歳男性,診断は部分てんかん。二次性全般化強直間代発作の重積状態からおおよそ16日後にrhabdomyolysisによる急性腎不全を引き起こしたが,血液濾過透析によって治癒しえた。本例のrhabdomyolysisは,けいれん発作重積状態,フェニトイン(PHT)による炎症性筋炎,無動状態による筋肉への圧迫および脱水などの要因が重なって生じたものと考えられる。けいれん発作重積状態ではrhabdomyolysisが発生することがあるので,けいれん重積を極力迅速に止めることが肝要である。PHTの組織侵襲性,昏睡下の無動状態による筋肉への圧迫ならびに脱水はrhabdomyolysisから腎不全を引き起こす1要因になると考えられるので注意を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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