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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻12号

2002年12月発行

短報

妊娠を契機に解離性亜昏迷状態を呈した女性強迫性障害患者の1例

著者: 吉田卓史1 多賀千明12 太田純1 津川麻子3 河瀬雅紀14 福居顯二1

所属機関: 1京都府立医科大学精神医学教室 2京都第二赤十字病院精神科 3花の木医療福祉センター 4京都府立精神保健福祉総合センター

ページ範囲:P.1325 - P.1327

文献概要

はじめに
 強迫とは自分自身と環境をすべて一元的にコントロールすることにより,不安の解消を図ろうとする試みである6)と考えられている。一方,解離とは,ICD-10において記憶,同一性,意識,そして身体のコントロールの間の正常な統合が失われた状態と定義され,多元的な方向性をもつ傾向とされている。このように,強迫性と解離性は相反的な方向性をもつものと考えられている4)
 女性の強迫性障害Obsessive-Compulsive Disorder(OCD)患者では,妊娠を契機に強迫症状の悪化を来す例が多いことが知られている5)が,解離症状を呈したとの報告は知られていない。そこで今回,妊娠を契機に解離性亜昏迷状態を呈した女性OCD患者を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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