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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻2号

2002年02月発行

文献概要

研究と報告

症候性局在関連性てんかんにおける薬剤整理が発作に与える影響—精神科てんかん外来患者における発作の有無と頻度を指標に

著者: 中村文裕1 出店正隆1 武田洋司1 田中尚朗1 榊原聡1 小林淳子1 小山司1 伊藤ますみ2

所属機関: 1北海道大学医学部精神科神経科 2聖母会天使病院精神科

ページ範囲:P.151 - P.159

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【抄録】 北海道大学医学部附属病院精神科神経科に通院中の376例の症候性局在関連性てんかん患者を対象に,2年間に主剤を決定し,他の併用薬剤を減量中止するという薬剤整理を行い,発作に与える影響を検討した。加齢化による影響を補正しても,薬剤数の減少に伴って発作が抑制される症例が有意に増加した。減薬により単純/複雑部分発作が有意に改善したが,二次性全般化発作の変化は明らかでなかった。下位分類別に見ると,単純/複雑部分発作の減少は側頭葉てんかんに明らかであった。薬剤数の減少とともに残った薬剤の増量が認められ,この2つの要因に相関がみられた。単剤で発作が抑制された症例の分析から,抗てんかん薬の薬効は症候性局在関連性てんかんの下位分類によって異なることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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