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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻2号

2002年02月発行

文献概要

研究と報告

初回入院分裂病患者の経過類型—平均13年の後方視的調査

著者: 小林聡幸1

所属機関: 1自治医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.161 - P.168

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【抄録】 自治医科大学精神科への初回入院分裂病症例の平均13年予後経過研究を行った。対象は同科で初回の入院治療を行い,1983年6月から1988年5月の間に退院した分裂病患者62名である。そのうちの生存例47名の経過パターンをCiompiの経過類型に準じて8型に分類した。急性病相寛解型(加藤,1999)に相当する,波状経過で予後のよい例(I型とV型,合計53%)と,慢性重度欠陥型(同,1999)に相当する,単純経過で予後の悪い例(II型とVI型,合計28%)とがかなりの比率を占め,初回入院症例を対象としたCiompiの研究と大筋で同様のデータが得られた。しかし,こうした類型に収まらない症例も少なからずあり,分裂病の経過の多様性が再確認された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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