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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻2号

2002年02月発行

「精神医学」への手紙

摂食障害と薬物乱用—松本論文を読んで

著者: 永田利彦1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学

ページ範囲:P.220 - P.221

文献概要

 本誌6月号の松本ら3)の報告を読んだ。多数の女性覚醒剤症例を対象にしたもので,たいへん有意義な研究である。しかし,「物質乱用と摂食障害は同じ嗜癖行動として密接な関係にある」とし,小生らとは意見を異にするとのことであった。この問題は,観点によって大きく異なるので,それぞれ「賛同している」点と「意見を異にする」点を述べたい。
 まず,「賛同」は,普通の摂食障害の治療者が思っているより,薬物乱用・依存症例で摂食障害の合併が多いという点である。それは松本らの報告を待つまでもなく,鈴木ら7)の女性アルコール依存症例での研究ですでに明らかにされているし,どのアルコール,薬物依存の治療者の意見も一致するところである。小生自身のアルコール治療施設での経験でもそうである。一方で大学病院に覚醒剤といったハードな症例が来院することが少ないのも確かである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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