精神医学44巻3号

2002年03月発行

特集 新しい向精神薬の薬理・治療

幻聴症状の改善症例

精神分裂病の幻聴症状にPerospironeが奏効した1例

著者： 原隆¹ 五十嵐雅文¹ 菅原道哉¹

所属機関： ¹東邦大学医学部精神神経医学講座

ページ範囲：P.257 - P.260

文献概要

はじめに
　Perospironeは日本で開発された新しい非定型抗精神病薬で，従来の抗精神病薬にはないbenzisothiazol骨格を有している。抗dopamine作用に加えてserotonin（5-HT₂）拮抗作用を併せ持つことから，risperidoneと同様serotonin-dopamine antagonist（SDA）として位置づけられている^5,6）。
　今回，再燃を呈した症例にperospimneを投与する機会を得たので，その治療経過についてPANSS（Positive and Negative Syndrome Scale^3））の評価を含めて，若干の考察を加えて報告する。