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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 新しい向精神薬の薬理・治療 向精神薬—新しい抗うつ薬

新しい抗うつ薬fluvoxamine,paroxetine,milnacipranの臨床効果と副作用

著者: 新開浩二1 中村純1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.279 - P.283

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はじめに
 うつ病に対する薬物療法は,1950年代に臨床に導入されたMAO阻害薬であるiproniazid,三環系抗うつ薬(tricyclic antidepressants;以下TCAsと略す)であるimipramineに始まった。iproniazidは,重篤な肝障害のために臨床から姿を消したが,imipramineは現在もなお処方する機会の多い抗うつ薬である。しかし,TCAsはその副作用のために処方される機会が限られる。そして,安全性の高い抗うつ薬として登場したのが選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitors;SSRIs)である。SSRIsは第三世代抗うつ薬とも称され,TCAsに比較して安全性が高いことが最大の利点である。また,最近第四世代抗うつ薬とも呼ばれるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin-noradrenaline reuptake inhibitors;SNRIs)がdual actionの抗うつ薬として登場した。
 わが国ではこれら第三世代や第四世代の導入が大幅に遅れていたが,SSRIsであるfluvoxamine,paroxetine,SNRIsであるmilnacipranがようやく発売された。
 本稿では,わが国に登場してまもないこれらの新しい抗うつ薬について,臨床効果ならびに副作用に関する知見を総説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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