icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻3号

2002年03月発行

特集 新しい向精神薬の薬理・治療

向精神薬・他の医薬により改善した強迫症状の症例

パロキセチンが有効でハロペリドールが中止可能となった強迫性障害の1例

著者: 岩崎剛士1 丹羽真一1 松本出1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.291 - P.294

文献概要

はじめに
 強迫性障害(obsessive-compulsive disorder;OCD)の治療に比較的セロトニン再取り込み部位選択性の高いclomipramine(CMI)が有効であるとの知見から,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;SSRI)のOCDに対する効果が積極的に検討されており,また数多くの結果によりその有効性が支持されている2,6,13,15)。米国のFood and Drug Administration(FDA)はfluvoxamine(FLV),fluoxetine(FLX),paroxetine(PRX),sertralin(SERT)のOCDに対する適用を承認し,SSRIはOCDに対する第1選択薬となっている。
 本邦では,FLVとPRXの2種類のSSRIが発売されており,FLVのみが強迫性障害に効能・効果が承認されている。現在SSRI間の有効性の比較および個々の症例に対する薬物の選択方法についての報告はほとんどみられておらず,今後検討していく必要があると考えられる。今回我々はCMIとハロペリドール(HP)併用療法で有効であった症例に対し,FLVでは効果がみられず,PRX投与にて症状の改善がみられ,HPが中止可能となったOCDの1例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら