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特集 新しい向精神薬の薬理・治療 向精神薬・他の医薬により改善した強迫症状の症例
産褥期に発症した反復性強迫神経症の1例
著者: 中村準一1
所属機関: 1鳥取大学保健管理センター
ページ範囲:P.295 - P.297
文献購入ページに移動はじめに
産褥期は生物学的に不安定で心理的,社会的にも特殊な状況にあり,それらを背景にして各種の精神障害が出現することが知られている。また,産褥期の内因性精神障害に関する報告は多数みられるが,強迫神経症についての症例は少ないと思われる。1960年代に強迫神経症に対するクロミプラミン(以下CMDの有効性が報告2,5,8)され,1999年には本邦でも選択的セロトニン再取り込み阻害薬(以下SSRI)が日常臨床においても使用可能となり,強迫神経症に対する薬物療法の幅が広がった。本症例はSSRIが市販される以前の症例であり,産褥期に強迫症状が出現し,約18か月間の寛解後,約6年間強迫状態を呈した。本症例に対するCMIの有効性について若干の考察を加えて報告する。
産褥期は生物学的に不安定で心理的,社会的にも特殊な状況にあり,それらを背景にして各種の精神障害が出現することが知られている。また,産褥期の内因性精神障害に関する報告は多数みられるが,強迫神経症についての症例は少ないと思われる。1960年代に強迫神経症に対するクロミプラミン(以下CMDの有効性が報告2,5,8)され,1999年には本邦でも選択的セロトニン再取り込み阻害薬(以下SSRI)が日常臨床においても使用可能となり,強迫神経症に対する薬物療法の幅が広がった。本症例はSSRIが市販される以前の症例であり,産褥期に強迫症状が出現し,約18か月間の寛解後,約6年間強迫状態を呈した。本症例に対するCMIの有効性について若干の考察を加えて報告する。
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