文献詳細
特集 新しい向精神薬の薬理・治療
向精神薬・他の医薬により改善した強迫症状の症例
タンドスピロンとSSRIによる併用療法が奏効した強迫性障害の1例
著者: 姜昌勲12 杉原克比古1 五十嵐潤12 小川寿1 岸本年史2
所属機関: 1安来第一病院精神科 2奈良県立医科大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.299 - P.301
文献概要
近年,精神疾患に対する薬物療法について単剤処方の重要性は一段と推奨されており,新規の非定型抗精神病薬の導入をきっかけにして処方の切り替え・単剤化の潮流は顕著となっている。その一方で,早期効果発現や効果増強などを目的としたaugmentation療法(強化療法)をはじめとする多剤併用療法の有用性を検討した報告も数多く認める3)。今回我々は治療に難渋していた強迫性障害(以下OCD)の患者に対して,5-HT1A作動薬であるタンドスピロンとSSRI(フルボキサミン,パロキセチン)の併用療法が奏効した症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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