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特集 新しい向精神薬の薬理・治療 向精神薬—新しい睡眠薬
新しい睡眠薬(ゾルピデム,クアゼパム)の薬理学的特性
著者: 大熊誠太郎1 桂昌司1
所属機関: 1川崎医科大学薬理学教室
ページ範囲:P.305 - P.311
文献購入ページに移動クロルジアゼポキシドchlordiazepoxideが臨床導入されて以来,ベンゾジアゼピン系薬物benzodiazepines(BZDs)は現在鎮静・催眠薬,抗不安薬として使用される薬物の過半を占めていることは周知の通りである。BZDsはこれらの薬理作用のほかに抗けいれん作用や筋弛緩作用などを示し,中枢神経系に対する結合は,いずれのBZDsも同様であるとされているが,薬物により生体内薬物動態が異なるため,薬理学的には多くの場合,その作用時間の相違による分類がなされている。一方,最近の分子生物学的手法などの応用により,BZDsの作用点であるGABAA/BZD受容体複合体の分子構造と受容体構成成分であるサブユニットの生理機能における役割などが明らかにされてきていること3,22)から,BZDsにみられる薬理作用のうち,特に催眠作用を比較的特異的に有するBZDsの開発がなされている。
本稿では,これらのBZDsの中で,最近開発され臨床応用されている,催眠作用を比較的選択的に示すゾルピデムzolpidemおよびクアゼパムquazepamの薬理学的特性を概説する。
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