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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 新しい向精神薬の薬理・治療 向精神薬—新しい睡眠薬

新しい睡眠薬(ゾルピデム,クアゼパム)の薬理学的特性

著者: 大熊誠太郎1 桂昌司1

所属機関: 1川崎医科大学薬理学教室

ページ範囲:P.305 - P.311

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はじめに
 クロルジアゼポキシドchlordiazepoxideが臨床導入されて以来,ベンゾジアゼピン系薬物benzodiazepines(BZDs)は現在鎮静・催眠薬,抗不安薬として使用される薬物の過半を占めていることは周知の通りである。BZDsはこれらの薬理作用のほかに抗けいれん作用や筋弛緩作用などを示し,中枢神経系に対する結合は,いずれのBZDsも同様であるとされているが,薬物により生体内薬物動態が異なるため,薬理学的には多くの場合,その作用時間の相違による分類がなされている。一方,最近の分子生物学的手法などの応用により,BZDsの作用点であるGABAA/BZD受容体複合体の分子構造と受容体構成成分であるサブユニットの生理機能における役割などが明らかにされてきていること3,22)から,BZDsにみられる薬理作用のうち,特に催眠作用を比較的特異的に有するBZDsの開発がなされている。
 本稿では,これらのBZDsの中で,最近開発され臨床応用されている,催眠作用を比較的選択的に示すゾルピデムzolpidemおよびクアゼパムquazepamの薬理学的特性を概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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