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特集 新しい向精神薬の薬理・治療 精神科関連薬
新しい抗てんかん薬(クロバザム)の薬理特性・臨床効果・副作用
著者: 工藤達也1
所属機関: 1国立療養所静岡神経医療センター
ページ範囲:P.319 - P.325
文献購入ページに移動Clobazam(CLB)は,国内では2001年より使用が開始されたが,諸外国では1979年にGastautら2)が報告して以来持続的に経口投与できるbenzodiazepine系薬剤の抗てんかん薬(antiepileptic drug;AED)として使用されてきた。CLBに関する総説も多い13)。1,4-benzodiazepine系薬剤(diazepam,clonazepam,nitrazepam,lorazepam)は,抗不安作用や睡眠導入作用のほかに,強力かつ迅速に発現するてんかん発作への抑制作用があり,有効な発作型のスペクトラムも広く,慢性的な経口投与とてんかん重積状態に対する静脈内投与も可能であることが知られた。しかし,残念なことに,耐性が生じるため,現在では主として緊急時と臨時的な治療薬として用いられている13)。
CLBは1,4-benzodiazepineとは異なる,7-chloro-1-methyl-5-phenyl-1,5 benzodiazepine-2,4-dioneの構造式を持つ1,5-benzodiazepine系の薬剤である。Gastautら2)はそれを103名の特発性全般てんかん,症候性全般てんかん,局在関連てんかんの患者に使用して,その52%で種々のてんかん発作に迅速で強力な抑制作用がみられ,しかも副作用は少ないと報告した。しかし,数週後に1/3で抗てんかん作用が消失することに気づかれた。最近の検討では,CLBは初期に想定された以上の抗てんかん作用があり,耐性については過剰に喧伝されてきたことが指摘されている6)。
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