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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻4号

2002年04月発行

研究と報告

アルコール乱用に続発して過食症を発症したBulimic alcoholics 2症例—過食症に対するアルコールの影響について

著者: 松本俊彦1 山口亜希子2 宮川朋大34 小田原俊成1 小阪憲司1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室 2横浜市立大学学生相談室 3神奈川県立精神医療センターせりがや病院 4現,国立療養所久里浜病院精神科

ページ範囲:P.417 - P.424

文献概要

【抄録】 アルコール乱用が過食症発症の契機となったbulimic alcoholics自験2症例を報告した。この2症例はアルコール乱用,摂食障害の罹病期間や病態に差を認めたが,いずれも他の衝動行為はなく,肥満恐怖,体重コントロール欲求を背景としてアルコールを乱用し,酩酊下での食欲充進・嘔気増強を契機として,酩酊時の過食・嘔吐が出現した。長期罹病例では,非酩酊時の過食・嘔吐にまで発展した。2症例のアルコール乱用の治療方針は異なり,過食症も異なる経過を呈したが,最終的には断酒継続により改善した。アルコールは過食症を増悪させる可能性が示唆され,bulimic alcoholicsの治療では,アルコール乱用と過食症の双方への配慮が重要と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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