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特別寄稿
NIH/NIMH(米国国立衛生機関)にリードされるアメリカの精神医学研究の実態(第2回)—NIHの基本理念に支えられる研究倫理の考え方,その運用について
著者: 澤明1
所属機関: 1ジョンズホプキンス大学精神医学部門,神経科学部門
ページ範囲:P.455 - P.462
文献購入ページに移動はじめに
先月号(44巻3号,341-348ページ)より,米国で医学研究を制度上リードする立場にある,米国国立衛生機関(National Institute of Health:NIH)に属するNational Institute of Mental Health(NIMH)の副所長であるリチャード中村のアレンジで行ったアメリカの精神医学研究の考え方,機構についてのインタビューを3回にわたり連載することになり,本稿はその第2回目である。今回は,精神疾患研究実践とその倫理のあり方について述べる。この側面では,患者家族団体と医師,研究者の交流も重要な要素である。私は先月号で述べたように,日本でわずか6年間の精神科臨床,研究の経験のあと,アメリカに来てしまったので,日本との比較をする立場にはない。さらには,倫理に対しては,一人の精神科研究,医療にかかわるものとして常に最大限考慮したいと考えているが,実際は,自身のグラントや臨床研究プロトコール作成時に経験するだけで,全くの門外漢である。したがって以下の論述は,こうした門外漢が1999年時点でのNIMHのスタッフ,エキスパートからの伝聞を,できるだけ素直にまとめたものである,とご理解いただければと思う。一部は時代の変遷と共にすでに機構変えが起こっている部分があるかもしれないが,少なくともその背景にある考え方については正しくお伝えできるものと思う。
先月号(44巻3号,341-348ページ)より,米国で医学研究を制度上リードする立場にある,米国国立衛生機関(National Institute of Health:NIH)に属するNational Institute of Mental Health(NIMH)の副所長であるリチャード中村のアレンジで行ったアメリカの精神医学研究の考え方,機構についてのインタビューを3回にわたり連載することになり,本稿はその第2回目である。今回は,精神疾患研究実践とその倫理のあり方について述べる。この側面では,患者家族団体と医師,研究者の交流も重要な要素である。私は先月号で述べたように,日本でわずか6年間の精神科臨床,研究の経験のあと,アメリカに来てしまったので,日本との比較をする立場にはない。さらには,倫理に対しては,一人の精神科研究,医療にかかわるものとして常に最大限考慮したいと考えているが,実際は,自身のグラントや臨床研究プロトコール作成時に経験するだけで,全くの門外漢である。したがって以下の論述は,こうした門外漢が1999年時点でのNIMHのスタッフ,エキスパートからの伝聞を,できるだけ素直にまとめたものである,とご理解いただければと思う。一部は時代の変遷と共にすでに機構変えが起こっている部分があるかもしれないが,少なくともその背景にある考え方については正しくお伝えできるものと思う。
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