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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻5号

2002年05月発行

文献概要

研究と報告

妄想性うつ病と非妄想性うつ病の比較研究

著者: 葉室篤1 大坪天平1 田中克俊12 秋元洋一1 秋庭秀紀1 平井里江子1 宮岡等3 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室 2(株)東芝安全保健センター 3北里大学医学部精神科

ページ範囲:P.513 - P.520

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【抄録】 入院治療を必要とした大うつ病性障害患者131人を,精神病像の有無により妄想群28人(21.4%)と非妄想群103人(78.6%)に分け,さまざまな項目に関し比較検討した。単変量解析では,妄想群が非妄想群より有意に,入院時年齢,入院中最重症時17項目ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD-17)得点,入院中最高抗うつ薬用量,ECT施行率が高く,入院時Global Assessment Function(GAF)得点が低く,入院期間が長かった。寛解退院後2年間の再燃・再発率は,妄想群が68.9%,非妄想群が60.1%で有意な差はなかった。妄想の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析では,入院中最重症時HRSD-17得点が高いこと,入院期間が長いことが有意な関連要因として挙げられた。精神病像を伴う大うつ病性障害は,うつ病の重症型とするというDSM-IVの位置づけを支持する結果となった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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