文献詳細
短報
フルボキサミンが奏効した夜間摂食飲水症候群の1症例
著者: 安川玲1 三原卓巳1 清水予旨子1 笠原恭輔1 大城隆太郎1 三浦星治2 坪内健1 宮岡剛1 水野創一1 前田孝弘1 稲見康司3 助川鶴平4 稲垣卓司1 山下英尚5 堀口淳1
所属機関: 1島根医科大学医学部精神医学講座 2青葉病院 3清和病院 4国立療養所鳥取病院 5広島大学医学部神経精神医学講座
ページ範囲:P.551 - P.554
文献概要
夜間摂食飲水症候群(Nocturnal Eating/Drinking Syndrome;以下,NE/DS)は1955年Stunkardらによってはじめて25例の難治性の症例が報告された症候群である10)。1990年に,その診断基準がアメリカ睡眠障害連合による睡眠障害国際分類診断1)に記載された。しかし,今口に至るまでNE/DSについての詳細な症例報告や治療に関する報告は極めて少ない8,9)。しかも,報告されたものの大部分は夜間摂食行動を合併する神経性食思不振症や神経性過食症などの摂食障害の患者に関する報告である2,6)。今回,我々は摂食障害の診断基準を満たさない症例で,fluvoxamineの投与が摂食エピソードの回数と摂食量の減少とに奏効したNE/DSの1症例を経験したので,終夜睡眠ポリグラフ検査所見をまじえて報告する。
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