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短報
摂食障害患者におけるWisconsin Card Sorting Testの成績不良—予備的研究
著者: 小羽俊士12 堀江姿帆2 鍋田恭孝2
所属機関: 1相模ケ丘病院 2青山渋谷メディカルクリニック
ページ範囲:P.681 - P.683
文献購入ページに移動摂食障害患者,特に神経性無食欲症においては,太ることへの病的で過度な恐怖,やせ願望,身体イメージの歪みなど,いくつかの認知的な歪みがあることがわかっている2)。また食行動以外の点でも強迫的な思考の堅さを示し,柔軟性に乏しく,共感性に欠け,しばしば衝動コントロールが乏しいことを示す患者が多いことも,臨床的によく気づかれるところである。本研究は,こうした認知心理学的特徴の背景を探ることを目的に,一般に前頭前野機能を反映すると考えられる実行機能executive functionの評価検査であるWisconsin Card Sorting Test(以下WCST)を摂食障害患者を対象に施行したものである。筆者の知るかぎりでは,摂食障害患者に対するWCSTを使用した認知機能障害の評価に関する研究はまだ実施されていない。
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