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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻6号

2002年06月発行

私のカルテから

呼吸器症状が認められなかった精神疾患患者の肺結核

著者: 長嶺敬彦1 村田正人1 小田敏郎2

所属機関: 1清和会吉南病院 2山口県立中央病院呼吸器科

ページ範囲:P.692 - P.693

文献概要

 1999年の結核緊急事態宣言以来,医療機関での肺結核に対する認識は広まりつつある。肺結核を疑う症状として,①2週間以上持続する咳嗽,②微熱,③胸痛,④全身倦怠感・体重減少,⑤血痰が挙げられる3)。しかしこれらの症状が全くないか,ごく軽微である場合でも,肺結核であることがある。精神疾患患者では長年の抗精神病薬の服用により咳嗽反射が低下している症例があり,呼吸器症状が認められないことがあるからである。
 ところで精神病院ではひとたび肺結核患者が発症すると,集団感染に至ることが多い。集団感染を予防するためには,呼吸器症状が認められない肺結核に適切に対応することが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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