文献詳細
研究と報告
文献概要
【抄録】 1994〜1996年度の3年間,栃木県で措置入院のために指定医診察を受けた対象患者332例の特徴と二人の指定医間の一致率を検討した。(1)対象患者は,平均年齢39歳で男性が多く,精神分裂病と薬物中毒が多く,暴行,器物損壊という他害行為があり,幻覚妄想状態と精神運動興奮状態を呈し,大部分が要措置と判断された。(2)精神障害の一致率は,アルコール中毒,感情障害ではほぼ完壁,覚醒剤中毒,精神分裂病では十分,人格障害では中等度,状態像診断では問題があった。これまでの問題行動の一致率は比較的良好だが,今後おそれのある問題行動の一致率はやや不良であった。現在の病状または状態像の一致率は不良であった。要措置の一致率は十分であった。
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