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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻7号

2002年07月発行

研究と報告

思春期に若年周期精神病と思われる病像を呈した精神遅滞の1男性例

著者: 伊藤侯輝12 鈴木克治1 三上敦大1 牧雄司13 加藤一郎14 塚本正仁15 傳田健三1 小山司1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科/神経機能学講座精神医学 2現,北海道小樽市立小樽第二病院 3現,牧病院 4現,北海道釧路市立釧路総合病院 5現,北海道大学大学院医学研究科/高次診断治療学核医学

ページ範囲:P.753 - P.759

文献概要

【抄録】 症例は3歳時より精神遅滞を指摘されている男性であった。15歳時より食欲・意欲の低下および活動性の低下が先行し,数日後から多弁・多動,睡眠時間の減少を伴った活動性充進の時期を3〜7日ほど経て,睡眠時間が突然増加して2,3日以内に症状は急速に消失するという経過が約1か月周期で繰り返された。また病相期が終わるとほぼ完全な健康状態にかえり,病相期中の追想が著しく不良であった。以上のような周期性,症状の推移,経過などは山下の若年周期精神病17)によく類似していると思われた。病相期中のFDG-PETでは左前頭葉および左視床に局所的な糖代謝の低下が認められ,SPECTでは左視床および左基底核の血流低下が認められた。治療はバルプロ酸と甲状腺ホルモン併用療法が有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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